スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
デザートは小悪魔とともに 直樹Ver.
前回の記事のコメントに、「この続きを」というお声がありまして。
書けるか~???と思いつつ書いてみました☆
ねーさん様、ありがとうございます!!


お付き合いいただける方は、続きからどうぞ。


... Read more ▼
・・・・・・・・・・・・


――――バタン。

車のドアが閉まる音が、やけに響いて聞こえた。
白いタクシーが、俺たちを残して走り去っていく。陽はすでに高く上がってきていた。眩しさに、少し目を細める。

「はあ~、着いたね~」

琴子が俺の腕を取ってじゃれつくようにつかまってきた。柔らかい感触が伝わってくる。

「ふふっ、ふたりで朝帰り~」

門に向って歩きながら、琴子は無邪気にそんなことを言う。

「……もう昼になるぞ」

俺は表向き、いつもと同じように素っ気なく返す。

「あ、そうだね。じゃ昼帰り?…うーん、なんか雰囲気出ないなぁ。やっぱり朝帰り!」

「何言ってるんだか」

「だって、なんか朝帰りって響きが素敵なんだもん。なんかイケナイことしてるみたいで」

何か妄想しているのか、琴子はムフフ…と笑っている。

「単なる仕事帰りだろうが」

俺は少し呆れた風に言い、門を開けた。

しかし…イケナイこと、ねぇ。どんなこと、なんだろうな?
きっと、こいつは特に深く考えて言った訳じゃない。

「うん、でも入江くんと一緒にこんな時間に帰ってくるのってなかなかないよね。だからすっごく新鮮」

・・・確かにそうなのだ。
俺は夜勤でも、定時通りに終わる保証はない。どちらかというと、定時にすんなり終わらないことの方が多い。
急変があったり、またその可能性が高かったりして帰れないこともあるし、なんだかんだと雑務をこなしているうちにいつの間にか定時をだいぶ過ぎていることもある。
だから、今日の俺達はかなりレアなシチュエーションなわけで。

「まあ、昨日の夜は相当ハードだったけど、朝方は珍しく静かだったからな」

そう。昨夜は交通事故による急患が運ばれてきて、相当バタバタしていたのだが、オペが終わり一段落すると、それが嘘のように何事もない、穏やかな朝がやってきたのだった。
だから俺たちはこうして珍しく夜勤明けにも関わらず揃って帰宅できているわけだが。
俺の身体の中には、忙しかった時間から続く高揚感が、未だに居座っている気がする。
妙に頭が冴え渡り、五感も鋭敏になっているような――不思議な感覚。
そもそも夜勤明けだというのに、全く眠くない。
それどころか、さっきから――いや、ドニーズにいた時から、俺は少しずつ、その高揚感を突き上げられている気がする。

そう、少しずつ、煽るように。

その犯人は――

「そうだね。でも、皆それほど深刻な怪我じゃなかったし、よかったよね」

琴子がにっこり笑いながら俺の顔を下から覗き込んだ。
その笑顔を横目で見ながら、俺はひそかにため息をこぼす。
全く、無防備なこいつ。
そういう表情が、ふとした仕草が、俺にどんな影響をもたらしているか。

この小悪魔は、
全く――わかっていない。

「ただいま帰りましたーっ」

俺が玄関の鍵を開け、琴子を先に入れてやると、お袋に向かってだろう、元気に帰宅を告げる挨拶をした。
「……あれ?」

いつもならすぐに出迎えるお袋が出てこない。声すら聞こえてこなかった。

「どうしたのかな?お義母さん」

「いないのか?」

靴を脱いで、家に上がった。まずはリビングを覗いてみる。が、誰もいない。

「入江くん、これ」

琴子がテーブルの上にメモを見つけて持ってきた。

“琴子ちゃん&お兄ちゃんへ
お帰りなさい。お疲れ様。
用事があって夕方まで出掛けます。
相原さんも今日はお休みで出かけるそうです。二人とも明日はお休みよね?ごゆっくり~

お袋の見慣れた文字。
しかし今日は、何だか違って見える。
語尾のハートマークが、やたらと目についた。

ああ……俺、今日はおかしいかもしれない。

「じゃあ、皆出掛けちゃったんだ」

「………そうだな」

親父は会社、裕樹は学校。つまりこの家には俺達二人しかいないわけで――。

「入江くん、シャワー浴びる?」

琴子が俺の顔を覗き込むようにして訊いてきた。

「え、…ああ。俺はいいよ。病院で浴びてきたから」

…ヤバい。らしくなくぼーっとしていて反応が遅れた。
いや、ぼーっとしていたんじゃなく、ちょっと違うことに気を取られていたんだな。

「そっか、じゃああたし浴びてくるね。着替え取ってくる」

そう言うと、琴子はリビングを出ていった。寝室に向かったのだろう。
俺もすぐに後を追った。

「あ、入江くんはもう寝る?」

階段を昇ろうとしていた琴子が、振り返って訊いてきた。

「お前は眠くないの?」

琴子の後に続いて階段を昇りながら、反対に聞き返す。

「んー、今日はまだ眠くないな。忙しかったせいかな、なんだかテンション高い感じで」

「そうか」

つまり、それは、俺と同じってことだよな……?

階段を昇り、寝室に向かって廊下を歩く。

「ドニーズでデザートまで食べたしねっ。やっぱり甘いものを食べると疲れが取れるよね」

デザート………
甘いもの………

俺にとってのそれは、今、目の前を歩いている。
そして、寝室のドアの前に着いた。琴子が、ドアノブを回してドアを開ける。

「あ、でも入江くんは気にしないで先に寝ててね?疲れてるでしょ?珍しくタクシー乗ろうなんて言うし」
……いや、それは疲れてるってより、早く帰って二人になりたかっただけ、だ。
「入江くん!?」

急に腕を取られ、部屋に押し込まれた琴子が驚いて声をあげた。
俺は自分も部屋に入るとドアを閉め、琴子を壁に押し付ける。

「どうしたの…んっ」

琴子の言葉は、俺に唇を塞がれ、飲み込まれた。
いきなりの深いキスに戸惑っているのだろう、琴子はなすがままになっている。
それをいいことに、俺は咥内を蹂躙するように味わった。
壁に押し付けられている琴子の身体から、だんだんと力が抜けてくる。
思考を奪うように、更に深く唇を重ねた。
そっと目を開けると、琴子はぎゅっと目を閉じている。

「琴子……」

唇を外し、俺は琴子の耳許で囁く。
かすかに、でも確かに琴子の身体が震えた。

「俺は、デザートを食べてないんだけど」

「え……」

琴子の唇から、吐息とともに小さく声が零れ出た。

「デザート、食べてもいい……?」

それは、許可を乞うふりをして、実は否やを許さない。
そんな、宣告。
琴子がそっと目を開けた。顔が上気したように真っ赤になっている。

「い、入江くん…どうした、の……?」

この期に及んで、まだそんなことを訊いてくるこいつ。
真っ赤な顔で、大きな瞳をさらに見開いて。
――俺を、捉える。

「…言っとくけど、仕掛けたのはお前だからな」

「え?あたし、そんなこと…んんっ」

再びの、キス。

すっかり力が抜けた琴子は、立っていられなくなったらしい。その場に崩れそうになったところを抱えあげた。
そのまま運んでいき、ベッドにそっと下ろす。
そして、その上に覆い被さり、組み敷いた。

「入江くん…まだ、昼間なのに…」

顔を上気させたまま、琴子が小さな声で言った。
お前…そんな顔で言っても逆効果だろう。


「イケナイこと、するんじゃなかったっけ?」

「そんなこと言ってな…っ」

今度は耳にキスを落とすと、琴子はびくりと身体を震わせた。
そのまま、顎に続くラインに唇を這わせていく。

「ん…あ……」

首筋に唇を這わせた頃、琴子の唇から小さく声が漏れ始めた。
そっと、琴子の着ているカットソーの裾から手を忍ばせる。
琴子の素肌はしっとりとしていて、吸い付くようだ。

「あ……」

下着の上から胸を包み込むように触ると、また琴子がぴくんと反応した。

「入、江くん……」

琴子の腕が俺の背中に回された。
目がとろんとしている。その表情が、さらに俺を煽る。

「琴子……」

背中に手を回し、ブラのホックを外した。
解放された胸に触れると、ひそやかな吐息が漏れる。
俺は薄く色づき始めた身体をもっと見たくなって、カットソーを捲り上げた。そのまま脱がせようとした、その時。

ぱたん。

俺の背中に回されていた琴子の両腕が、シーツの上に落ちた。

「琴子………」

「―――」

「…琴子」


すーっ、すーっ……

「……おい」

―――お前、は。

ここで寝るかーっ!?

さっきまで熱っぽい視線を俺に向けていた瞳は完全に閉じられ、少し開いた唇からは吐息ではなく寝息が繰り返されている。
俺はしばし琴子の頬を撫でたり唇をなぞったり、はたまた鼻を摘まんでみたりしてみたが……反応ナシ。
まあ、こいつが一度寝付いたら、滅多なことでは起きないってのは、俺が一番よく知ってるんだが。

それにしたって。

散々煽りに煽っといて、ここで寝るかフツー!
俺にどうしろって言うんだーっ!?

そうこうしていると、琴子がおもむろに寝返りを打った。
スカートが捲り上がり、白い大腿があらわになる。
俺が捲り上げたカットソーからは、小ぶりな胸が半分のぞいている。

これは………

新婚旅行の再現かーっ!?

(作者注:『天才くんの新婚旅行』参照)

かくして。
琴子が夢の世界に旅立っている間。
俺は、熱くなって眠れない身体を持て余していたのだった――

琴子。
起きたら、………覚悟しろよ。





☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ


はい、そんなわけで蛇の生殺しで終わりました。
だって、夜勤明けだったのですもの。仕方ないよね入江くん。

しかし、他の素敵サイト様のような、読んだらハァハァしちゃうようなシーンは、私には書けない・・・・・・

大変お粗末さまでした・・・・・・。
スポンサーサイト
Secret
(非公開コメント受付中)

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Re: たまち様
コメントありがとうございます!

紀子さんは・・・きっと、何かレーダーをお持ちなんでしょう。
直樹の野獣や、琴子の妄想に敏感に反応してそう(笑)。


> 喋るDEVIL'Sチョコレートパフェ

←まさに!って感じです!直樹にとっては、なによりのデザートだったはずなのに・・・くくっ。

このお話書いて、私も直樹をこんな目にあわせるのが楽しいって実感しちゃいましたよ~
私のドS魂にも火が付いてしまったようです。。。
たまち様に気に入っていただけて何よりです!!

Re: ねーさん様
確かに一番ひどい仕打ち(笑)
こちらこそ、コメントでお話のヒントをいただき、ありがとうございました!
書いてる方も楽しかったです。
直樹をいじめるのって、快感・・・・・・(爆)
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!!


無記名様
拍手コメントいただき、ありがとうございます!

生殺し・・・またやっちゃいますか?(笑)
このお話書いて、直樹をいじめるのが楽しかったので、そう言っていただけるとまたやってしまいそう・・・・・・

面白かったと言っていただけて何よりです!
No title
入江君のデザートはまさに、琴子ちゃん!いいところで?寝てしまう、琴子ちゃん!入江君の、びっくり顔が見える。あはは!琴子ちゃんの、勝利!
Re: なおちゃん様
コメントありがとうございます!

直樹はきっと、甘いものは琴子しか食べないのですね(笑)。しかし残念・・・
こんな風に琴子に翻弄される直樹が実は好きな作者です。w
このお話、書いていて凄く楽しかったです。
No title
あはは、入江君より?一枚上手だね、琴子ちゃん、かわいい、琴子ちゃん、の天然小悪魔ぶり、この際だから❓思い切り、入江君を、いじめちゃを。
Re: なおちゃん様
コメントありがとうございます!

いつもクールな入江君が、ここぞというときに琴子ちゃんに振り回されるのが書いていてとっても楽しかったです♪
ほんと、入江君をいじめるのって筆者的にも快感なんですよ(笑)。
プロフィール

あおい

Author:あおい
「イタズラなKISS」にはまり、妄想のあまり書いた二次創作小説と言う名の駄文置き場です。
ひそやかに、かつマイペースに更新いたしますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。