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あなたの誕生日
なんと8ヶ月ぶりの更新になります。

いろいろ妄想だけは浮かんで、ちまちまと書き進めてはいたのですが、なかなか完成に至らず。

こんなサイト、誰も覚えていないんじゃ……と思いつつ、ようやくひとつだけ書けましたので、アップしてみました。


そんなわけで、

入江くん、誕生日おめでとう♪



続きが書けたら、いいなあ……


... Read more ▼

・・・・・・・・・・・・・・・・


もう10月も終わりかあ…

ふと、カレンダーを見ていてそう気づいた。

最近、何だか時間が立つのがあっという間。
気がつくと、大学の講義が終わっていて、家に帰る時間になってる。

『あんた最近ぼーっとしすぎよ』

って、今日も理美に言われたけど。

でも……つい、いろいろ、…考えちゃって。

あの日から…
金ちゃんに、

『おれと結婚しいひんか』

そう言われた日から。
あの日から、あたしに流れる時間は何だかおかしくなった気がする――。


金ちゃんと、今月何回かデートした。

デート、だよね……二人で待ち合わせをして、遊んで、ご飯食べて。
そんな時は、思いの外楽しくて、あっというまに過ぎていく。

でも。
こうして、家に帰って来て、自分の部屋にいる時は、本当に時間が経つのが遅く感じる。

だから、なのかな…
こんなことに気づいてしまうのは。

そう。
10月が終わって、11月が来たら…――





次の月のカレンダーには、1日だけ、印がついている日がある。


11月12日――入江くんの誕生日。

このカレンダーをここに吊るした時に、マーカーで印をつけた。
もちろん、印なんかなくたって、この日のことをあたしが忘れることなんかない。この日はあたしにとって、1年で一番大事な日だって思ってる。自分の誕生日よりも、ずっと。



去年の今頃は、入江くんに何をプレゼントしようか、って…そればっかり考えてた。
入江くんが喜んでくれるものって、一体何だろう…

あたしには、英文読解なんかよりずっとずっと難しい問題で。

でも、そんなことを考えて、いろんなお店を覗いたりしている時間は、すごく楽しくて…幸せだった。

入江くんにプレゼントを渡すことができて――押し掛けて渡してるだけって言われたりもしたけど――ちゃんと、入江くんも受け取ってくれて。

あの頃は、まだ入江くんのことを好きでいられた――



だけど。
今は、プレゼントのことなんて考える必要、ないんだよね。

あたしが、何を贈っても、何を想っていたとしても。

もう、入江くんには届かない。




この日が、あたしの中で特別じゃなくなるなんて――そんな日が、来るのかな。

この日が、他の普通の日みたいに…例えば今日みたいに、何事もなく過ごすなんて……そんなことできるかな。

これから先。
この日が来たら、あたし…毎年入江くんのことを思い出しちゃわないかな。

もう、叶わない恋なのに。
入江くんは、あたしじゃない他の人を好きで…そのひとと結婚するのに。

あたしの、気持ちがついていってない。
諦めなきゃいけないのに。
あたしのこんな気持ちなんて、入江くんには迷惑でしかないのに。

『お前も早く男作れよ』

入江くんは、あたしにそう言った。


それなのに――





ああ。また今日も眠れそうにないな…
入江くんは、まだ帰ってきていない。
お仕事、かな…まだまだ大変みたいだし。

それとも……あの人と、一緒なのかな……


この前、金ちゃんと出掛けた時に偶然会ったあの二人の姿が目に浮かぶ。

どこからどこまでも、お似合いの二人。

あたしはぎゅうっと胸が苦しくなって、急いでそれを頭から振り払った。
ぎゅっと無理やり目を瞑る。


入江くんのことを好きでいられた時間。
入江くんは、あたしのことなんて好きじゃないってわかっていても、あたし、ホントに幸せだった。


ああ。
あの頃に戻れたらなあ…。
両想いになんて、なれなくてもいいから。
入江くんにあたしのこと好きになってほしいなんて、そんなことは望まないから。

だから、あの頃に戻りたい。
そんなことできるはずもないのに――


あたしは布団の中で丸くなりながら、暗闇の中、そんな思いに囚われ、沈んでいた――




***



「ねぇ、これなんかどーお?」

「んー、ちょっと渋すぎない?」

「そうかなー」

「こっちは?」

「あ、それはいいかもね」

あれから数日後――

あたしの心を覆っていた闇は嘘のように晴れている。


あの、雨の日。
入江くんが、駅まで迎えに来てくれて。

『オレ以外の男、好きなんて言うな』

そう…言ってくれて。

そしてあたし達は、その2週間後に結婚式を挙げることになった。
入江くんがあたしのことを好きだって言ってくれただけでも信じられないのに、結婚だなんて…ほんとに、夢みたいで。
そんなあまりの急展開にまだちょっとふわふわしながら、それでも今、こうして…幸せを噛み締めている。

あたし、入江くんのこと、まだ好きでいていいんだ。
こうして、入江くんの誕生日プレゼントを選んでいることが、すごくすごく幸せで。

……だから。

とびっきり素敵なものをプレゼントしたい。
入江くんが、今までよりもずっと、喜んでくれるものを。

そう思ってると、こうしていろんなお店を見ていてもなかなかプレゼントが決まらない。

今いるお店って何軒目だっけ……外もすっかり暗いし、大学終わってからこうして買い物に付き合ってくれてる理美とじんこにもさすがに悪い気がする。
でもでも、どうもこれ!ってものがないんだよね……

「あの、さ」

何だか申し訳ない気がして、あーだこーだ言いながら、棚の上の品物を物色してくれている二人に、声をかけた。

「なかなか決まらなくってごめんね」

あたしがそう言うと、二人は、一瞬びっくりした顔をして、それから笑顔になった。

「いーよ、そんなことー」

「ま、あの入江くんにあげるものにってゆーと、確かに難しいもんねー」

「なんだかんだ言って、彼、お坊ちゃんだしね。何でも持ってそうだし」

「おまけに天才だしねー。何考えてるのか凡人にはわかんないとこあるし」

そう笑って言ってくれるふたりには、もうホントに感謝しかない。



「でも、さ」

ふと、理美が顔を近づけてきた。あたしの顔を見て、にまっ、と笑う。
それは何だか意味ありげに。

「あたし、入江くんが今一番欲しいもの、何となくわかるわよ」

「――えっ」

思わず思考が止まる。

「知ってるならなんで教えてくれないのっ!?っていうか、なんで理美が入江くんの欲しいもの知ってるのよ?」

「なんでって……」

「フツーに考えたらわかりそうなもんじゃないねぇ」

「え、じんこも知ってるの!?」

「うん。そりゃあ……ねえ?」

そう言うと、じんこは理美と顔を見合わせてまた笑ってる。

えーっえーっ!
何で何でー!
何で二人とも知ってるのー⁉

あたし、全然わからないんだけど‼

全くわからないでいるあたしを、理美が振り返った。

「ねぇ琴子」

今度は真面目な顔をしてあたしをじっと見つめてくる。

「な、何……?」

「ちゃんと、入江くんは言ってくれたのよね?あんたのことが好きだって」

「う、うん」

……そう。
入江くんは言ってくれた。

『大好きだよ』

そう言って、抱き締めてくれて。
入江くんの腕の中は、すっごく温かくて安心できて。
幸せで――

「ちょっとちょっと琴子っ」

「こんなとこで陶酔してないでよっ」

……あ、いけない。またひたってしまったわ。

「で、最近彼は仕事で忙しくって、全然あんたとの時間が取れないのよね?」

それも、その通り。
パンダイは資金援助を得られることになったけど、それでも入江くんの仕事は山積みみたいだし、何より急に結婚式と新婚旅行に行くことになったためにますます忙しくなってしまったみたいで。
朝は早く出勤しちゃうし、帰りは夜遅い。
だから最近、入江くんとあんまり顔を合わせてなくって、ちょっと寂しいあたしなんだ。
入江くんは、あたしに会えなくて、少しは寂しいって思っていてくれてるかな……?

「入江くんがあんたのこと好きなら、そして最近ほとんどあんたと会うこともないっていうんなら……」

「いうんなら……?」

「普通の男の子なら、ねぇ……?」

普通の男の子なら……?
全然、わからないっ。

「琴子の場合、同居してるんだからさ。いつ何時、そうなるかわかんないし」

「そうなるって…?」

ますます意味がわからなくて聞き返す。

「ま、今、琴子ってブライダルエステに通ってるんでしょ?だったら、まあその辺は大丈夫ね」

「うんうん、肌もつやつやだし」

「う、うん。まあ……」

確かに、おばさんに勧められてもう何回かエステに行ってる。そのお陰か、最近、お肌の調子はすごーくいいのよね。
でも、それが入江くんのプレゼントと何の関係が……

「あー、もうっ。こーなったら、先に下着屋に行くわよっ」

えっ⁉
し、下着屋って⁉
ま、まさか誕生日プレゼントって、下着……⁉
そ、そんな……男の人の下着を選ぶなんて、何だか恥ずかしい……

「違うわよっ、あんたの下着よっ」

「どうせあんた、動物パンツしか持ってないんでしょ」

そ、そうだけど……
で、でも入江くんの誕生日プレゼント選んでるのに、何で急にあたしの下着を買うことに……?

「ほら琴子、早く早くっ」

「ち、ちょっと待ってよーっ。だってまだプレゼント買ってないのにっ」

「いいからいいからっ」


もうもう、一体何なの⁉

あたしは訳がわからないまま、二人に引っ張っていかれて。


今まで買ったこともないような、ちょっと大胆な下着を買うことになったのでした――



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テーマ : 二次創作:小説
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No title
あはは!琴子ちゃんらしいね、入江君は、琴子ちゃんのsんなところも好きなんだよね?ちょっと、鈍感なところもね、結婚前に、つらいことが、二人にあっても、この結婚が、つらいことを消してくれる、でも、結婚しても、大変な時期が多々、有るんだろうけど、今は、琴子ちゃんの大事な、入江君のお誕生日ですもんね、入江君、お誕生日、おめでとう。
プロフィール

Author:あおい
「イタズラなKISS」にはまり、妄想のあまり書いた二次創作小説と言う名の駄文置き場です。
ひそやかに、かつマイペースに更新いたしますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。

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